【プロに聞く!】今年、結婚もされたふ〜ど選手にプロゲーマーの生活や結婚について話を伺ってきました!

INTERVIEW

eスポーツ業界で活躍される様々なプロフェッショナルにインタビューを行う「プロに聞く!」。

今回はCygamesとRazerの2社からスポンサードを受ける『ストリートファイターⅤ.AE』のプロプレイヤーとして活動するふ〜ど選手にお話を伺いました!

今回のインタビューはesportsメディア「esports press」 との合同インタビューの後編となっております。前編では、ふ〜ど選手の今年1年の活動の振り返りや今後の展望についてお話しされているので、併せてご覧になってみてください。

esports pressで公開されている前編はこちらから。

「僕に足りないのは、技の細かい部分ではなくて”強くなること”」ふ~ど選手インタビュー 前編

ふ〜ど選手よろしくお願いします!

ーまずは、ふ〜ど選手がプロゲーマーになったきっかけについてお聞きしてもよろしいでしょうか。

梅原さんが格闘ゲームで日本初のプロになったのが2010年だったんですけど、当時はそれほどプロゲーマーっていう言葉自体が浸透してなくて、

「プロ野球選手」とか「プロサッカー選手」のようなプロスポーツ選手のような見られ方はしてなかったんですよね、いまもそう大差ないのですが。当時、FPSだとプロ選手が出てきたとは思うんですけど、格闘ゲームでプロゲーマーという人はいなかったので、なろうという意識はなかったですね。

そんな時ふと、自分はこれだけゲームが好きで毎日やっていて、これで生活できるなら最高じゃないかって思って全て実費で参加した世界大会の「EVO」で優勝したんですよ。

この優勝をきっかけにプロになることになるのですが、ずっと夢だった「ゲームで生きていく」という夢へのチャンスをしっかり掴むことができてよかったです。

ー2012年からプロとして活動を始められたわけですが、当時と今を比べると周りの環境は大きく変わったと思います。その変化について感じることはありますでしょうか?

まず、昔にくらべて賞金がずいぶんと高くなりました。

「Capcom Cup 2019」でも優勝賞金として2500万円近くが用意されていて、32人で争うので、賞金を獲得する可能性は3%もあります。

人生の中で2500万円もの賞金を獲得できる可能性があるっていうのは、一昔前だと考えられなかったので、夢がありますよね。

あとゲームって負けて言い訳する人も多かったんですよ、基本は遊びだったので。

ただ、ここまで業界が大きくなると言い訳が可愛く感じてしまうんですよね。大会で負けて言い訳した人がいたとして、「今、それで100万円損したからな」と言えますし、ゲームと向き合って誰が強いのかを決めることが無粋ではなくなった。言い訳しないで、真面目に向き合える今はとてもいい環境だなと思いますね。

本気で遊びであるゲームを楽しみたいという強い想いを感じました…!

ータイトルとしてストリートファイターを選んばれたのには理由があるのでしょうか?

元々、知らない人と対戦するのが好きなんですよ。

だから僕自身色々なゲームをプレイしてきたんですけど、「ストリートファイター」は格闘ゲームで一番強い人たちが集まっていたんですよね。

僕は「バーチャファイター」出身で、そこで自分が一番強かったと思ってたんですけど、そこから「ストリートファイターⅣ」に入ってみると、格闘ゲームの強い人がいっぱい集まってて、格闘ゲームの中では特に華やかな場所だったんですよね。

ーコミュニティに惹かれたと。

そうですね。やっぱり周りの人がみんな真剣にプレイしてるので、対戦してて楽しいんですよね。自分が今日対戦して勝った相手に次会った時にはボコボコにされたりすることもしょっちゅう(笑)

ゲームは変わらないけど、攻略は日に日に変わっていくので、突き詰めれば突き詰めるほど内容が良くなっていくところがやってて楽しいところです。

ー普段は1日をどのようなスケジュールで過ごされているのでしょうか。

昼夜逆転は言い過ぎかもしれないんですけど、基本的には昼過ぎに起きはじめます。

やはりゲームは夜がコアタイムで、朝や昼だと人もいなくて対戦ができなかったりするので、朝仕事が入っている時以外は、12時過ぎくらいに起床して、午後3時ごろからオフの対戦会に行って、夜8時、9時くらいまでプレイして、家に帰ってネット対戦をして、朝方5時か6時に寝るって流れが主ですかね。

ストリートファイターだけじゃなく携帯ゲームもやってるので、何かしらゲームは触っている感じです。スケジュールは「丸1日ゲーム」って感じです(笑)

生活の中心がゲームとのこと!

ーということは、練習時間といった形で時間を設けたりはしていないのでしょうか。

僕は仕事だからというよりは、ゲームが好きだからやっているという意識が強いので、時間を決めてゲームをやるってなると自分がしんどくなってしまいそうで、無理して型にはめないようにしています。それをするのは僕じゃないって思っていますね。

ただ、今ゲームで食べていけてるっていう環境が凄く幸せなんで、その生活を長く続けたいって気持ちは強いです。

ー現在の収入はどのように得ているのでしょうか?

スポンサーさんからの給料や大会賞金、イベント出演料、配信収入などですね。

ゲームが変わると今まで培ってきたノウハウが0になってしまうので、個人的にはなるべく柔軟性の高い若い内から稼いでおいた方がいいのかなって思います。

ープライベートな話にはなりますが、11月に倉持由香さんとご結婚をされました。これまでの生活と比べて何か変化はありましたか

奥さんが芸能人なので、一緒にラジオやテレビ出演などの色んな仕事の話が来ているのもあって、これから僕自身の活動も大きく変わるかもしれないですね。

あと、1人だったら自分のことだけで何でもいいやってなるんですけど、結婚したこともあり、2人にとってどうなのかと、色んなことをよく考えるようにもなりましたね。

普段海外遠征行くとお酒を飲むんですけど「Capcom Cup」は飲まなかったんですよ。「結婚するとこうも意識が変わるんだな…」って思いました(笑)。

意識の変化にとても驚いておられました(笑)

大会に臨むにしても、ただ勝つことだけじゃなくて、勝って自分たちの周りを豊かにしていかなければって意識が働いて、いっそう真面目に取り組むようになりました。

そういったポジティブの感情も芽生えるので、他のゲーマーにも結婚を薦めたいですね。

各所から大きな反応があったと思いますが、そこはどう感じましたか。

2人で「発表するかどうか」って話し合ったんですが、僕は発表しなくていいんじゃないかって思っていました。

というのも、奥さんの方が仕事の内容的にプラスとマイナスどちらもあって、どっちが多いかって考えたときにもしかしたらマイナスの方が多いんじゃないかって思ったんですよね。

正直、僕にとっては大きなプラスなんですが。

「ゲームが上手いだけでいい女性と結婚できたぞ」って胸を張って言えるので、マイナス面がないんですよ。ただ結婚ってなったとき、2人の数値を一緒にするので、そこを見たときにマイナスの方が多いかなって思ってしまったんですよね。

ただ発表すれば堂々と手を繋いで歩けますし、夫婦で仕事や活動をしていく上で、良い転機になるんじゃないかということになって発表した感じですかね。

結果、一緒に仕事もできますし、彼女がゲーミングチームに所属してるので、そのコーチとして呼ばれるなど、凄く発展性の高い活動ができて、一緒にできることはすごく楽しいです。

あと、結婚を発表する前に彼女が自宅で配信してたとき、知らないまま部屋に入って危なかったことがありました。そういったトラブルに怯えなくてよくなったのも良い点ですね(笑)

ー今後プロになりたいと思う方に向けて、アドバイスをお願いします。

目標を明確化することが重要だと思っています。

プロゲーマーになりたい!ってコメントや話をよく聞くんですが、なんでなりたいのかってのが大事だと思うんですよ。

「有名になりたいのか」「一番強いプレイヤーを倒したいのか」様々な理由があるとは思うんですけど、「有名になりたい」でプロゲーマーを目指すと、途中で「ゲームで強くなるより配信者として活動した方が効率がいいんじゃないか」って形でブレてしまうと思うんです。

なので、まず自分がふわっとした目標じゃなくて、「なぜプロゲーマーになりたいのか」ってところまでしっかり考えた方が、向かっててもブレにくいと思います。

一番強くなりたいんだったら、人一倍練習するのが良いと思いますし、有名になりたいんだったらゲームを軸に特技を見い出すのが良いと思います。

自分が何をしたいのかってことを明確にした方がいいと思いますね。

ー最後に来年の目標を教えてください!

僕の毎年の目標って「プロゲーマーをやっていく」なんですよ。

大きい大会で勝つことは純粋な喜びに加えて、「これでまた来年プロゲーマーできる」っていう保証も高くなります。

今年は、それなりにいい成績が収められたので、来年もさらに強くなって、再来年も活動できるぐらい成績を残して、プロゲーマーを続けられたらいいなと思います。

ふ〜ど選手、ありがとうございました!

プロとして最前線で戦い続けるふ〜ど選手の原動力は、やはりゲームへの愛でした。

これからは奥さまである倉持由香さんとの活動にも注目です!

今回の「プロに聞く!」はここまで。また次回の記事でお会いしましょう!