【プロに聞く!】Twitch社員中村鮎葉さんインタビュー!Twitchに就職するキッカケが秀逸過ぎました!

INTERVIEW

今回のインタビュー記事は、Twitchの中村鮎葉さん!(プレイヤー名「アユハ」

みなさんご存知『Twitch』(ツイッチ)とは、Amazon.comが提供する、ライブ実況プラットフォーム。1ヶ月あたり1億人以上の視聴者が存在すると言われ、日本での利用者も年々増加しています。

そんなTwitch のJapanブランチに勤務する鮎葉さんはなんと日本人第1号社員!

そして実は、寿 限無之信のeスポーツ師匠なんです。ESPORTS侍NEWSを立ち上げるにあたって、いろいろ相談はもちろん、人のご紹介などいろんなことを教えて頂いた方です。

今回は、そんな鮎葉さんに今の仕事内容や、就職までの経緯、業界を目指す方へのアドバイスなどお伺いして来ました~~~~

Twitchに就職するキッカケが秀逸ですので、ぜひお読みください!

■まずは中村鮎葉さん個人のことをお聞かせください。鮎葉さん自身も配信をやられるんでしょうか?

個人配信はしていません。大会で配信の部分を面倒みることもあるんですが、でもフルスタックティーオーの方が多いです。これは自称です。

■フルスタックティーオー???

はい。TO(ティーオー)って普通オタクの人たちには、トップオタの略と思われているのですが(笑)

トーナメントオーガナイザーの略語です。

設営、機材準備、トーナメント表の作成、開催場所の確保とか、全てひとりでやることをフルスタックティーオーと呼んでいます。

トーナメント開催をする時点でなにが必要なのか知っておくことが必要です。

TOとしてスマブラの大会をよくやっていたのですが、あるときアメリカの大会を知って良く出来てるなぁと思ったんです。
アメリカのスマブラのコミュニティ大会って凄く練度が高くていろんなサービスを使って、今まで僕らがアナログでやってたことをデジタルで解決していて、デザインパターン!…これってプログラム用語なんですが、デザインパターンがいいなと思ってそれをマネするようになりました!

そのときにいっぱいノウハウを輸入というか取り入れて、その頃は日本人はこんなの理解出来ないって言われてたんですが、今ではスマブラ勢はその方式に慣れてしまいましたw

■アナログ的なことをデジタル化した具体的な例でいうとなにですか

一番分かり易いのはトーナメント表ですね!

紙とか、ホームページ上にトーナメント表を画像でバン!って出すんじゃなくて、当時で言うと、チャロンジ(CHALLONGE)というサービスがやって来て、トーナメント表は、表を書くんじゃなくて、こういったサービスでオンラインで出す!っていうのを使い始めました。
当時は、日本版インターフェイスが無かったので、凄く大変でしたが。

他にもいろんなサービスを使っており、そのときにTwitchも使っていて、それがご縁で職業として入ったけど、元々は大会運営をより良くしよう!というのが原点です!

トーナメントオーガナイザーも務める鮎葉さん

■TO(トーナメントオーガナイザー)でTwitchのサービスを使っていたから、Twitchに入ることに!とお聞きしましたが、具体な経緯を教えて頂けますか

大学は、東京大学工学部出身で、大学院は通称 “情報学環” で学んでいたんです。

■情報学環?

はい! まさにメディアアート系です。
アメリカのMITメディアラボ※のようなところです。

大会運営でTwitchのサービスを知り、こういう会社に入りたいと思い、最初は、アメリカのTwitch本体にプログラマーで入ろうとしたんです!

ですが、シリコンバレーの掟とでも言いましょうかw

中途採用しかなかったんですね!この世界は!
しかも凄腕の中途採用しかなくて、募集要項を見てもハイレベルな内容しか書いてなくてw
なので、日本で就活しようと思いました。

決して、シリコンバレーで行きたかったわけじゃなく、僕は東京大好きなんですけど、Twitchならサンフランシスコに行ってもいいかなぁと思ったんです。

アメリカはスマブラ運営の本場ですしねw

でも、シリコンバレーの掟を知って諦めていたら、ある日、Twitch側から日本に進出するんだけど興味ないですか!?っていう話が突然Facebookにメッセージが飛んきて、東京で面接をして、アメリカと何度も通話を繰り返し、それで日本で今のパートナーシップ部署に入りました。

※MITメディアラボ:米国マサチューセッツ工科大学 建築・計画スクール内に設置された研究所。 主に表現とコミュニケーションに利用されるデジタル技術の教育、研究を専門としている
ちなみに、鮎葉さんのお父さんは、昔MITメディアラボの客員教授でした!

■えっ!?それってアメリカのTwitch社のメンバーが鮎葉さんがスマブラのTOをやってることを知っていたということいですか

はい!その通りです!

アメリカでスマブラの大会をやっていたアメリカ人の知り合いが、普通にTwitchの社員としてパートナーシップに入社しており、アメリカの社内で「日本進出したいけど、誰か適任者を知らないか?」と社内募集したらしいのですが、その当時は社員200人とかしかいなく、候補がなかったところ、「日本だったら日本に適任者がいるよ!」ってその知り合いから候補に選出され、僕のところにオファーがあったという流れなんです。

■す..凄い…!スマブラTOが繋ぐ人生ですね

ゲームのコミュニティーってそういうものなんですねw

シリコンバレーで就職したいとか、アメリカの本場で就職したという方は、ぜひこの話を参考にしてくださいw

■次にTwitchでのお仕事をお聞かせください

パートナーシップ部と言う場所で仕事をしています。

主な内容は、コンテンツの獲得と成長です。

このパートナーシップの名前の由来ですが、ストリーマーとして一定の水準を達成しますと、パートナーチャンネルを持てるようになります。
Twitchのパートナーチャンネルになった人をサポートするところからその名前が付いています。

Twitchのスタジオから配信するストリーマーも多くいます

■パートナーになるにはどうすればいいのでしょうか

総合的に判断します。

Twitchのストリーマーになるとダッシュボードが出来るんですが、その中にアチーブメントというのがあって、視聴者を何人獲得したとか、配信時間がどのくらいだとか、チャットに何人参加しましたとか、様々な条件が付いていて、これらを達成するとパートナーになれます!というようにアナウンスされています。

詳しくは公開しておりますのでこちらを御覧ください。

■フルスタックTOとかパートナーシップに必要なスキルはありますか

TOは、僕の職業ではないんですが、
例えば、公式大会とかサードパーティーの大会とかでやってる企業さんがいらっしゃるんですね。

そういう方々向けに有るべきスキルは、一番重宝されるのは「英語」ですね。
もちろん英語以外のスキルも重要なんですが、有ると差が付くのでw

学んで身に付くものって、バイトだったり、入社してから身に付くんですけど、バイトや入社しても身に付かないものってあるんですよね。
必要なのに入社しても身に付かないものの筆頭が英語です!

■最後にこの業界を目指す人たちにアドバイスお願いします

ゲームを作る方では無く、ゲームを遊ぶ方の界隈は、常に新しい価値観が生まれており、魅力あるものがドンドン生まれているんですね。
なのでそれを吸収できる、それに追い付いていける能力を持っていると強いと思います。

特にTier1 esportsと呼ばれるゲームに代表される凄く経済圏がしっかりしているesportsタイトルはそれを遊ぶ、プレイヤーとしてプレイするだけでもこういうビジネスモデルあるんだって勉強になる部分が多いので、他のゲームをしてる方でも知識を入れるためにもプレイする価値はあると思います。

諸事情あってw 僕はいろんな大会でちょっとずつ運営をしていることがあります。 なので、どんなイベントでもいいのでぜひいらして、僕を探すのをひとつマイルストーンにするのもいいんじゃないでしょうか。

■会場で鮎葉さん見かけたら声掛けてもいいですか?

もちろんいいですよ!

今日はありがとうございました!